日本は相変わらず最高だよ。僕は日本を第二のふるさとのように感じているんだ。今回で4回目の来日になるけど、毎回来るたびによくなっているような気がしているよ。
今回はいつも以上に特別な滞在になっているよ。これまで3回の来日で、観光名所みたいなところは行ってしまったから、今回はここに住んでいるような地元の人のような感覚でいろんな所を歩きまわって、「ディズニーシー」にも行ってきたよ(笑)。それこそどこよりも観光名所と言える場所だけど、今回は地元の人として(ディズニーシーに)行ってきたんだ。だからいつもとは一味違う滞在なんだ。
見どころ満載だよ。「カワイイ」じゃなくて「コワい」いろんなエピソードがたくさんあるんだけど(笑)、シーズン11ではデレク・モーガンが去ってしまう悲しいエピソードがあって、僕がそのエピソードを監督した。それから最後にはかなり危険人物がたくさん刑務所から脱獄して、刺激的な最終回を迎えることになるよ。
すごく長い間、一緒に仕事をしてきたから、まるで兄のような存在だよ。彼とは体型もすごく似ていて、時々鏡を見ているような気分になることもあった(笑)、冗談だけどね。彼が日本に来たばかりだって聞いたから(笑)。それでモーガンが旅立つ最後のエピソードで、彼から僕に監督をしてほしいとリクエストされて最高にうれしかったよ。デレク・モーガンとスペンサー・リードが別れを言い合うシーンでは、すごく悲しくて僕は泣きすぎていたから、カメラを長回しにして、泣いているところを編集することにしたんだ。「アクション」を言って、「さよなら」とセリフを言って泣いて、何とか涙をこらえて「お別れを言いに来てくれて、ありがとう」ってセリフを言ってまた泣いて、それをあとで編集して見せられる状態にしたんだ。
本当に長い間、一緒に仕事をしてきたから、さよならをすることになってすごく感情的になったよ。他に思い出すことといえば…、モーガンとガルシアのシーンは印象的だったし、モーガンが最後にエレベーターで去っていくシーンは感慨深いものがあった。僕は俳優として彼と一緒に仕事ができたこともうれしいけど、シェマー自身が最初のシーズンからどんどん俳優として成長していく様子を見られたのもすごくよかった。だから、あんな形で彼の最後のエピソードを締めくくることができてよかったと思っているんだ。僕が監督をしている時も、彼は監督の指示をすごく受け止めてくれたよ。俳優の中には指示されたことをちゃんと聞かない人もいるからね。でもシェマーは常に「どう思う?」とか「どうしたらいい?」とか聞いてくれて一緒にやっていてすばらしかったよ。
監督をする時はできるだけすべてにおいて意見を言うようにしているんだ。例えば衣装のデザインや色合いなんかにはすごく気を配っている。それから犯人はできるだけパステル調の色にするようにしている。そのほうがより怖い印象を与えられると思っているからね。それからセットデザインやキャスティングにも意見をするし、脚本にもね。これまでありがたいことに11話で監督をさせてもらっているから、脚本家の皆さんから、どんなストーリーをやりたいとか、どんな犯人にしたいかについても意見を聞いてくれるんだ。だからできるだけ積極的に自分が監督をするエピソードはできるだけユニークで、娯楽性もあるけど怖いものにしたいと思っている。自分の作品でみんなを怖がらせたいんだ。それに手作りのものを2つは取り入れるようにしていて、あと、どんな音楽を使うか選曲にもすごくこだわっているんだ。
いつも違うものだよ。時には2つ以上作ることもあるんだ。例えば、シーズン10の時に「かぎ爪の怪物」(第21話)を監督した時には、被害者が描いた絵は僕が描いたものなんだ。それから、かぎ爪の影も僕がやった。“かぎ爪を持つ影の化け物”が登場する不気味なシーンがあって、自分の中に特別なビジョンがあったから、鳥のマスクを2つ組み合わせて腕も付け加えて不気味な影を作ったんだ。でも自分がそのシーンにでなくちゃいけないから、影をやって直後にマスクを取ってスペンサー・リードになってカメラの前に急いで出てった。うまくいったよ。それからかぎ爪の化け物の声も僕がやったんだ。こんな感じでね。(化け物の声)手作りのものを取り入れることで特別感が生まれると思うし、見ている視聴者のみんなにも、心を込めて作ったもので何か伝わるものがあると思っているんだ。
もちろん覚えているよ。今回は2つあって、1つはランス・ヘンリクセン演じる悪い奴が電話ボックスにメモを残すんだけど、その手書きのメモは僕が赤いクレヨンで不気味な感じに書いたんだ。もうひとつは悪役の目の色にこだわった。僕はちぐはぐにするのが好きだから、犯人の片方の目を違う色にして特徴を出したんだ。僕の大好きな詩人であるエドガー・アラン・ポーの「告げ口心臓」に登場する青い目の男を参考にしたよ。特殊な青でそんなコンタクトレンズはなかったから、メイク担当に頼んでコンタクトをエドガー・アラン・ポーが表現していた白みがかった淡い青色に塗ったんだ。
すごくいい質問だね。僕にとって「クリミナル・マインド」作品は、あまりにも長い間やっているから改めて考えてみるのも難しいくらい僕の一部になっているんだけど、光が暗闇に打ち勝つということを象徴しているような寓話的なものだと思っているし、どんな状況にいても楽観的であるということが最終的には勝利することをおしえてくれる作品だと思っているんだ。
いい質問だね。まだよく分からないけど、僕がリードを演じはじめた時は、番組がこんなに長く続くとは思いもしていなかった時だったから、リードが成長していくキャラクターでありたいと思っていたんだ。テレビドラマはストーリー展開がすべてでキャラクターが成長しないことがないことがよくあるから、映画の中のキャラクターのようにどんどん成長していくキャラクターにしたかった。これだけ長い間リードを演じられすごく幸せだし、変化のあるキャラクターを演じられることはすごくうれしいことで、これからも順調に進んでくれることを願っているし、難しいかもしれないけど犯罪が起こる中でも彼には子供のような純粋な気持ちを続けてほしい。一方で彼には自信を持ってほしいとも思っているんだ。妙な話だけど、(すごく長い回答になってしまって申し訳ないんだけど)番組が始まった頃は、リードとマンディ・パティンキン演じるギデオンは相反するキャラクターだったけど、リードが最終的にギデオンのようになっていくんじゃないかと思っているんだ。
こんにちは。「クリミナル・マインド」でドクター・スペンサー・リード役のマシュー・グレイ・ギュブラーです。番組を見てくれて本当にありがとう。日本は来られてとてもうれしいし、またすぐにでも日本に来たい。みなさんもぜひアメリカに来てほしいね。