宇宙大作戦/スタートレック パイロット版 「歪んだ楽園」

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イントロダクション

すべての原点はここにある! 「宇宙大作戦/スタートレック」幻のパイロット版。
カーク船長の前任者クリストファー・パイク船長の貴重な姿が見られるエピソードを日本初放送!!

見どころ

「宇宙大作戦/スタートレック」幻のパイロット版

本作「歪んだ楽園」は、「宇宙大作戦/スタートレック」のパイロット版として制作されたが、当時は最終的に放送されなかった幻のエピソードである。しかしながら、本作は「宇宙大作戦/スタートレック」シーズン1第11話&12話「タロス星の幻怪人(前後編)」において再構成された形で日の目を見ることとなり、SF界で最も権威のあるヒューゴー賞(映像部門)を受賞するなどシリーズの中でも屈指の名作とされている。
エンタープライズ号のクルーはクリストファー・パイク船長をはじめとするこのパイロット版オリジナルのメンバーで、以降のシリーズではスポックを除いてカーク船長ら別のメンバーに変更された。ストーリーの舞台となるのはタロス星。何十万年も前の戦争によって荒れ果てた地上から地底に下りたタロス星人は、過酷な環境で生きるために精神力を発達させ、「幻」を創り上げる超能力を手に入れた。しかし幻に魅了されたタロス星人たちは現実を生きることを止め、ただ座って思考レコーダーの中の人生をなぞり、幻に浸って過ごすだけ。そこで代わりに奴隷として働かせるための生命体をおびき寄せては捕獲していた。幻の中のみで幸福を得ることができるようになれば、現実は壊滅する。タロス星人たちの末路はバーチャル世界が発達した現代に生きる私たちへの問題提起のようにも読み取れる。時代を超えて人の心に訴えかける本作はジーン・ロッデンベリーが生み出したSFの真髄と言えるだろう。

パイロット版だけのオリジナルキャラクターとキャスト陣

エンタープライズの最初の船長、クリストファー・パイクを演じるのは『キング・オブ・キングス』のキリスト役など映画俳優として1950年代に活躍したジェフリー・ハンター。パイロット版のみの出演となり、本人の意思もありその後のシリーズは降板した。パイク船長は映画版『スター・トレック('09)』では(別のタイムラインではあるが)若き日のジェームズ・T・カークを見出し宇宙艦隊に誘った人物であり、また最新TVシリーズ「スタートレック ディスカバリー」には意外な形で登場する。副長(ナンバーワン)を演じるのは、スタートレック原作者であるジーン・ロッデンベリーの妻メイジェル・バレット。パイロット版以降のシリーズでは看護士のクリスチン・チャペル役を演じ、その他のスタートレックシリーズにも様々な役柄で出演している。そんな中、パイロット版以降のシリーズでも同じスポック役を演じているのはレナード・ニモイ。バルカン人と地球人との間に生まれた彼は、シリーズではバルカン人として常に感情を表に出さず論理的に振る舞うが、パイロット版ではまだ設定に揺れがあるのか、情に厚く人間味溢れる一面を見ることができる。なお最新TVシリーズ「スタートレック ディスカバリー」の主人公マイケル・バーナムはスポックの義姉である。

ストーリー

外宇宙を進むエンタープライズ号に、ある惑星から救難信号の電波が届いた。距離からみて十数年も前に墜落した地球の探査船が発信したものらしく、今救助に赴いても生存者がいるかどうかは不明。ライジェル星の戦闘で部下に死者を出してしまったパイク船長は心の内をボイス船医に打ち明けつつも、生存者ありという新たなメッセージを受け取り救助に向かう決心をする。
その惑星タロスには酸素や重力があり、ハスキンス博士を初めとする一団が18年間生きながらえていた。パイクは生存者の1人である美女ビーナに誘われるがまま岩場に向かい、そのままタロス星人に捕らわれてしまう。驚く副長(ナンバー・ワン)らの目の前で博士や生存者たちも消失。船に残っていたスポックは、強力な超能力を持つタロス星人の真意を悟る……。

各話あらすじ

放送時間

作品基本情報

原題:Star Trek The Cage (Pilot)
データ:1964年/アメリカ/二カ国語/70分/HD作品
企画・脚本:ジーン・ロッデンベリー
監督:ロバート・バトラー
音楽:アレクサンダー・カレッジ(テーマ曲)
出演:ジェフリー・ハンター、レナード・ニモイ、メイジェル・バレット、ジョン・ホイト、ピーター・デュリエ、ローレル・グッドウィン、スーザン・オリヴァー