ショーン・ライアンと、過去に何度か一緒に仕事をしたニール・モリッツの関係者から電話をもらったんだ。実はその時、SWATの起源を描いたインディペンデント映画に取りかかっていてね。電話をもらった時は、すでにリサーチしていたテーマでもあったから、テレビでやるのも面白そうだと感じたんだ。
「S.W.A.T.」は、警察と地域社会の関係や人間ドラマを描いた作品だ。
「S.W.A.T.」は、人間性を描いたドラマだけど、すごく多層的な作りになっているんだ。表面的には、高度な訓練を受けた警察官たちが描かれているように見える。でも同時に、危険な現場で任務に当たる姿を通して、彼らの人間的な部分を描いてもいるんだ。
長年、「ワイルド・スピード」シリーズをやってきたから、テクニカル・アドバイザーといつも一緒に仕事をしてきた。だから彼らのことはよく分かっているよ。いつも命懸けの仕事をしている人たちだ。でも彼らも仕事を終えて家に帰れば、我々が直面するような日常の問題にも対応しなければならない。インディペンデント映画用のリサーチをしていた時もそうだが、彼らの勇敢な行動の裏にある人間らしさを常に意識するように心がけている。
パイロット版の撮影監督を担当したナイジェル・ブラックとは、撮り方について何時間も話し合った。キャラクターたちを間近に感じられるような映像を撮りたかったんだ。同時に彼らが置かれた環境で、彼らのことを理解できるようにもしたかった。そこで僕たちは、あらゆるレンズを試したよ。だけど、僕が望んだようなレンズは見つからなくて、結局、新しいレンズを作ることにした。
文字どおり6つの異なるレンズを試したけど、僕はどれにも満足できず、アナモルフィック・レンズをすべて試したよ。そしてついに、ようやく望んでいたレンズが手に入った。僕たちが世界で初めて、このレンズをお披露目することになる。まだ名前は決まってない。僕たちは“レン・ブラック”とか“ブラック・レン・レンズ”とか呼んでいるけど、文字どおり今までにないレンズで、僕が望んだ仕様がすべて盛り込まれているよ。
元々「S.W.A.T.」は昔ながらのアクション作品だから、もちろんアクションシーンはあるよ。でも、背景にあるキャラクターたちを掘り下げていくことにも挑戦しているから、視聴者はより引き込まれると思う。というのも、アクションシーンはアクションを見せるためだけにやっているわけではないからね。キャラクターたちが危険な状況に陥った時というのは、彼らの人物像を深く知る機会にもなる。だから、もしアクションのことしか考えていなかったら、視聴者が満足できるポイントがとても限定的なものになってしまう。このドラマにはハイレベルなアクションシーンがたくさんあるけれど、僕が注力しているのは、それぞれのキャラクターを掘り下げることだ。週を追うごとにキャラクターたちを深く知っていけば、彼らが危険な状況に陥った時、視聴者はきっと感情的にも引き込まれると思う。
僕はアクションの核となるのは、キャラクターたちの心の軌跡だと思っている。パイロット版で気をつけたことの1つに、アクションシーンが挙げられるね。どのアクションシーンも考え抜いて振り付けをした。1つひとつの動きに、理由がないといけない。それから、視聴者が臨場感を味わえるようも心がけた。それはつまり、出演者たちに非常に危険なアクションに挑戦してもらうことを意味する。でも彼らは、パイロット版から率先して引き受けてくれたよ。そうすることが、実際のSWAT隊員たちに敬意を示すことになるからね。
多様性というのは、もうちょっと複雑なものだよね。誰もが多様性という言葉を使っているし、日常でもよく耳にする。僕は警察官に会ったり、違う世界の人を訪ねたりしたから、いつも多様性にあふれる環境にいた。でも、どうすれば本当に才能のある俳優を集められるのか、そこが悩みどころだったね。キャスティングは人種を考慮せずに行ったんだけど、それがうまくいったよ。確かに才能のある人が集まったけど、同時にすごく本質的な多様性が得られた。例えば、タンというキャラクターは当初の脚本には存在しなかったんだけど、オーディションに来たデヴィッド・リムがすばらしくてね。そこでショーンと相談して、タンというキャラクターを新たに追加することを決めたんだ。こうあるべきだと僕は感じたよ。多様性は大事なことだし、それを非難するつもりは全くないが、僕たちは本質的な意味での多様性を求めている。だってこのドラマが成功すれば、10年間、毎日みんなと顔を合わせることになるからね。だから文化というのは僕たちにとって、とても大事だった。それからシェマーと初めて会った時のことだけど、彼といろいろ話し合って、今が完璧なタイミングだと感じた。それまでシェマーのことは名前しか知らなかったんだけど、話をしてみて、これは彼にとっていろんなことを証明するチャンスだし、彼はそのチャンスを何年も待っていたんだと分かった。だから、いいスタートを切れたし、作品の雰囲気づくりもうまくいったと思う。
アクション作品の中でも、SWATのような現実の存在を描く場合は特に危険を伴う。限界を超えるし、危機感を覚えるどころの話ではない。だから、細心の注意を払う必要があった。それから、ドラマの規模を考慮して、SWAT、ネイビー・シールズ、ロサンゼルス市警、サンディエゴ市警という4つの組織にテクニカル・アドバイザーを依頼した。間違ったことを描かないようにしたかったし、話し合うべきことがあれば、それぞれのキャラクターについて徹底的に話し合ったよ。
もちろんだ。キャストたちには全員、トレーニングを受けてもらったよ。僕はアクションシーンの振り付けも考えていたんだけど、彼らのトレーニングの様子を見て、それぞれの能力に合ったアクションを考えるようにした。俳優自身がアクションをこなせれば、スタントを使う場面は最小限に抑えられるからね。
とことん関わっているよ。キャストたちに、そう約束したんだ。彼らとは、すぐに家族のように打ち解けたからね。ただ、22話もあるエピソードのアイデアは、僕には分からない。だから、キャスティングをしていた時も、ただ俳優をオーディション会場に呼んでセリフを読んでもらうだけではなく、その人を知ることに重きを置いていた。それから全体のストーリーについて話し合うべきことも山ほどあったから、アーロンやショーンと話し合いを重ねた。各エピソードのクルー編成や脚本などについてもね。だから、全員がすごく関わっているよ。
過去に全世界で人気を博した作品に関わったことがあるけど、その時に忠実かつ特有であることの重要性を学んだ。それができて、キャラクターを魅力的かつ人間的に描くことができれば、世界中で受け入れられる可能性はあるだろうね。このドラマをやる上で、僕らが気をつけていたのは、平凡にならないようにすることだ。このドラマは、SWATとロサンゼルスを中心に据えている。特にロサンゼルスは、大きな役割を担っているね。どんなバックグラウンドを持つ人にとっても、ドラマへの入り口は同じだ。でも、登場人物たちは全員、さまざまなバックグラウンドを抱えている。だから、どんな人も一人の人間として彼らに共感できると思う。
映画は見ていなかったけど、70年代のドラマは大好きだったよ。当時は子供だったけどね。覚えているのは、あるキャラクターがヨーロッパでトラックを乗り回しているシーンだ。そのキャラクターがお気に入りだったんだよね。テーマソングも最高だ。そのシリーズの一部に携われると思うと、すごくワクワクするよ。