私はショーン・ライアンだ。「S.W.A.T.」の製作総指揮を務めている。
今回の「S.W.A.T.」は、過去のテレビドラマ版や映画を新しい観点からとらえ直し、解釈し直した作品だ。舞台となるのはロサンゼルス市警のSWAT、特殊武装戦術部隊で突然SWATのチームリーダーに指名されたダニエル・“ホンドー”・ハレルソンの視点を通して物語は描かれる。ホンドーを演じるのはシェマー・ムーアだ。政治的にも、市民と警察の緊張関係という点でも、街は非常に微妙な時期にある。シナリオ的には、彼の悪を正そうとする様子や警察に不満を持つ市民たち、そして社会の秩序を守ろうとする警察が描かれている。
タイミングはすごくぴったりだと思う。ここ数年、この国の警察がこの国の市民とどのように関わっているかについて、多くの話し合いがされてきたからね。それに警察による取り締まりについては、世界中でも問題になっている。だから2017年という年は、地域社会を守ろうとする1人の警察官について描くにはすばらしいタイミングだった。描き方にはいろんな方法がある。銃にこだわる必要はなく、地域社会との関わり方や犯罪への違ったアプローチを試してもいい。確かにホンドーは、他の警察官やSWATチームのメンバーとは違ったアプローチをする人物だね。彼がいるチームは多様性に富んだ面白いチームだ。いつも話しているんだが、このチームがうまくいけば、我々の希望になるかもしれない
このドラマの話を聞いた時は、アクションや事件捜査、警察の仕事だけでなく、人物像や恋愛模様、地域社会との関係など、いろんな部分に興味をそそられたよ。多くの要素を「S.W.A.T.」という1つのドラマに落とし込んだが、父親、母親、子供、祖父母、いとこ、どんな人にも楽しめる作品になっていると思う。
このドラマには、国や地域を問わず、訴えるものがあると思う。キャストも多様性に富んでいるし、普遍的な問いを投げかけている。それから、優れたドラマには魅力的な登場人物が欠かせないと私は考えているんだが、このドラマの中心にはシェマー・ムーア演じるホンドーというキャラクターがいる。ホンドーは優秀な警察官で、パイロット版の序盤ではSWAT隊員の1人だった彼が、チームリーダーに指名されるんだ。彼は内心、自分にリーダーが務まるのかと不安に思っている。だからこれは彼の成長の物語であり、リーダーという立場でできることを受け入れていく物語でもあるんだ。それから、彼の恋愛模様も描かれている。ホンドーは周囲には内緒で同僚の女性と付き合っているが、その関係が職務規定に違反するのではという問題に直面する。2人は突然、仕事か恋かの選択を迫られることになる。きっと多くの人が2人の状況に共感を覚えると思う。
初めてSWATが創設されたのはロサンゼルスで、2017年は創設50周年の年なんだ。ロサンゼルスはSWATの代名詞と言えるから、この街はパイロット版だけでなくシリーズ全体を通して、大きな役割を果たしてくれるだろうね。どこを舞台にしてもいいというわけではない。ロサンゼルスはとても象徴的だ。近年ではロサンゼルスっぽさを感じる場所は多々あるが、実際にロサンゼルスで撮影を行うことができて、本当に興奮しているよ。世界でも多様性に富んだ指折りの都市だからね。すべてを見せられるよう、真剣に取り組んでいるよ。パイロット版はジャスティン・リンが監督を務めているんだが、彼はそれぞれの地域の違いに光を当てようとしている。パイロット版もだが、シリーズ全体の目標は、みんなが知らない街のさまざまな側面をきちんと見せることだね。すごく楽しみだよ。
ロサンゼルス市警の現役SWAT隊員であるマリオ・コルテスと密に協力しながらやってきた。他にもコンサルタントや、サンディエゴ市警のSWAT隊員、ネイビー・シールズの元隊員にも協力をしてもらったよ。彼らに協力を仰いだのは、間違ったストーリーにしないためでもあったが、俳優たちに実際の隊員の立ち居振る舞いを可能な限り忠実に演じてほしかったからでもある。マリオと話せば、彼が仕事に誇りを持っていることが分かるだろう。当然のことだが、彼らSWATの隊員たちは、誇りを持って職務に当たっている。だから我々は、できるだけ正確に描かなければならないんだ。