ジェイ: 僕から答える。答えが短いから。初めてだ。
ジェイ: 美しい国だね。2日前に到着して、昨日1日オフで街を見ることができた。人々はみんなとても優しくて親切だし、いろんな場所があまりにも清潔なことに驚いているよ。水のペットボトルを持って出かけたら、空き容器を捨てる場所が見つからなくて、結局1日中持ち歩いていた。
アレックス: 自分で持ち帰るのが正しいね。
ジェイ: そうだね。日本はホスピタリティがすばらしくていいところだ。
ジェイ: 銀座に行ったし、新宿でアレックスと飲んだり、六本木をぶらぶらして通りかかったレストランで夕食をとったよ。
アレックス: 僕は去年の今頃も日本に来ていたんだ。その時が初めての来日で、日本は大好きだよ。ジェイがゴミのことを言っていたけど、ゴミ箱の数が少ないのにゴミが全然落ちてない。それはみんなが他人を思いやって共有のスペースを大切に使っているからで、すごくいいね。日本の人も大好きだ。今回来日の話が来た時は、運命が僕を再び日本に招いてくれたんだって感じたよ。
ジェイ: ホッとしたよ。脚本を読んで、このキャラクターはいけると感じてはいた。もちろん配役は誰になってもおかしくないけど、この役にはうまく共感できる感覚があったんだ。僕には子供はいないけれど、アイルランド系カトリック教徒で結婚しているというのは自分と似ている。ディーコン役に決まったとわかった時は嬉しくて興奮した。夢のような仕事だからね。警察のエリート部隊で仲間や民間の人々のために自分の身を捧げている。これ以上に楽しい仕事はないよ。
アレックス:とても嬉しかった。普通に考えてすごくいい仕事だからね。第1話(パイロット版)も良かった。ただ実際にどうなるかはわからなかった。その時点では脚本があるだけだからね。しかも映画の場合は脚本でストーリーの最初から最後までが目の前にあるけど、ドラマでは最初のエピソード分の脚本しかなくて、お試しの状態だから。でもショーン・ライアン(製作総指揮)をはじめ、クリエイターのメンバーと話して撮影監督のナイジェル・ブロックとも話をして、これは特別なものになるかもという予感があった。
アレックス: そう、だからストリート役に決まったと聞いた時はめちゃくちゃうれしかったよ。ストリートは魅力的だし誰もがやりたいと思う役だ。
ジェイ: ジャスティン・リンが第1話(パイロット版)の監督で......。
アレックス: そうそう。
ジェイ: 脚本には文章で「ロサンゼルスのダウンタウン地区で犯人を追走中。自動小銃の応酬。SWATの 3人は屋根から犯人から狙っている。全て同時進行。」と書かれていて、どうやって撮影するんだ、これ?と思ったよ。「ストリートがバンをひっくり返す」ってどうやって? カーチェイスに爆発も撮影できるのか? って思ったけど、その後も監督してくれたジャスティン・リンの手にかかれば心配無用だった。
アレックス: シーズン1の終わりでストリートは1人SWATを追放されて、そのことで彼自身もチームもキツい状況に置かれることになる。強い絆で結ばれて互いに援護し合ってきた仲間と、その後も現場で顔を合わせたりするんだ。彼らは今もSWATで僕が昔から憧れる何よりも重要な存在。そんな彼らがいる空間に自分だけ青い制服(巡回警官の制服)を着ているのは辛い。しかしストリートがSWATじゃなくなったことの責任は自分自身にあるんだ。
シーズン2からのストリートの物語は興味深いと思う。彼なしでチームがどう活動するか、ストリートが単独でどう行動するかを見ることになる。ネタバレはしたくないけど、自分が犯した間違いでチームを追い出されたものの、彼がSWATで学んだことは別の場所でも生きてくるんだ。状況判断がいい方向に働く。希望はあるよ、まだどうなるかわからないけれど。
ジェイ: ストリートは何も学んでない(笑)
アレックス: だね(笑)
ジェイ: シーズン1の終わりで、ディーコンはホンドーにポジションを奪われたことについては折り合いがついて良い関係になる。アレックスも言ったように、チームからは1人抜けた形になってしまったけどディーコンはそれを仕方ないと思っている。間違いを犯したのはストリート本人で、戻りたければヤツが自分で努力しなくてはならない。
ディーコンの妻は妊娠中で、つまり4人目の子供が生まれる予定だ。シーズン2では家族を持つ警察官が抱える悩みが見えてくる。ロサンゼルス市警では残業代の予算が削られ、今までの収入が見込めなくなってディーコンは家族を養うのが厳しくなってくるんだ。それで家族のためにいろいろな選択をしていくことなる。見応えはあると思うよ。
ジェイ: ああ、その通りだね。
アレックス: 同感。
ジェイ: 最初からそうだったね。
アレックス: 子供なし。独身。
ジェイ: ヤツは最初から暴れ者で、ディーコンは型にはまったタイプ。この対比は変わらないね。ストリートを批判することはないけど、ディーコンから見ればストリートはガキで、いいヤツだけど自分のことは自分でなんとかしろと思っている。
アレックス: なんでも規則通りにやろうとするのがディーコン。規則通りにやらないのがストリート。
ジェイ: そうだね
ジェイ: シーズン2の撮影開始前に脚本チームと座って話をする機会があって、シーズン1で22話を製作した後はどうなっていくのかを聞いたんだけど、番組全体の、そして自分が演じる役の方向性がわかったことは役者としてありがたかったね。でも、毎週驚かされるのも好きだけどね。1エピソードの撮影中に次の脚本が届くんだ。その時はまだ撮影中の話で頭がいっぱいではあるけど、その先がどうなるのかを知ることができる。シーズン3でも同じだけど、方向性がわかるという安心感と同時に、いつ変更があってどうなるかわからないというドキドキ感もある。
アレックス: 僕はシーズン2の撮影が始まる前は役者としてとにかくありがたいと思った。ドラマシリーズに出演させてもらうだけでもありがたいし、それがフルシーズン続いた。内容的にも自分が大好きな番組だし、次のシーズンを迎えるにあたってはある意味視聴者と同じようにワクワクする部分もあったよ。ストリートはこれからどうなるんだ?ってね。
撮影中は毎週新しい脚本が届いていたのが、シーズン終わりと同時にそれが止まる。続きがあることはわかっているけど、その後2、3カ月は脚本が届かないからいろいろ想像し始めるんだ。この先どうなっていくんだろうって。
アレックス: ドラマに戻ってくることは知っていたけど、チームに戻れるかどうかはまだわからないね。どうなるかわからないというのは逆にエキサイティングだ。
ドラマシリーズにキャスティングされるのはそれだけでとてもありがたいことだけど、一緒に働く人が好きになれなくて仕事が大変になることもある。番組を見てる人には、シーズン2にかけて(「S.W.A.T.」の俳優陣は)特に家族のようだと言われることがあるけれど、本当にそうなんだ。家族のように大好きな人たちと仕事していて、毎朝起きて仕事に行くのが楽しみなんだ。みんなものすごくいい人で、一緒に働いていて楽しい。みんな謙虚だし、それが番組全体にいいエネルギーを与えていると思う。ジェイは違うけど(笑)。
ジェイ: そうか......(笑)。
ジェイ: 年齢がちょうど小さすぎてリアルタイムでは観てなかったけど、覚えてはいる。ドラマの放送は1970年代だけど、音楽はその後もずっと人気だったからね。再放送を見たのかもしれないけど、オープニング映像を覚えてる。当時のドラマはその2分間のオープニングだけを見ても面白かった。オリジナルが製作されたのは1972年で、SWATが結成されたのが1967年だったから、まだ5年しか経っていなかったんだ。
ところが2017年に今の「S.W.A.T.」が製作された年はSWAT結成50周年。いろいろなことが随分と変わっている。だから昔のシリーズを今見ると、まるでコメディのようにも見えるね。
アレックス: イントロからして全然違うよね。
ジェイ: キャラクターを掘り下げる要素はなかったね。ボスがいてSWAT隊員がいて......。今のドラマとは比べ物にならない。
ジェイ: SNSで昔観てたから観ることにした、という声は聞くよ。あまりにも昔のことなので具体的に比較されたりはしないけどね。
アレックス: 今日まで一度もない。オリジナル版のテレビシリーズも映画も観ていない。映画版はワンシーンだけ観たよ。ジェレミー・レナーのバスルームのシーン。ストリート役はコリン・ファリルだよね。そのシーンしか観てないけど面白そうだった。映画全編は観てなくて、今となってはこんなに長い期間ずっと観ずにきたからこのまま観ない方がいいと思うんだ。
ジェイ: そうだな。
アレックス: (どこまで観ずにいられるか)記録を目指すよ。
ジェイ: 共通点といえば、道徳観かな。自分がそんな高尚だとは思っていないけど、礼儀は大切だと思う。だから東京にはうまく馴染めるんじゃないかな。礼儀とか挨拶は大事だよね。あと、ディーコンの魅力は家族をすごく大事にしていることだね。チームの中で家族がいるのはディーコンだけだ。少なくとも今のところは。だからこのことはいつも頭の片隅にあるよ。SWATの仕事はやりがいを感じてやっているけど、同時に家族のことも常に考えている。
ジェイ: オートバイだろ。
アレックス: いいね。今日はその答えを使わせてもらおう。ストリートというキャラクターの魅力は、シーズン1の最初から孤独で内面に葛藤を抱えるような人間味があることだと思う。内面を隠すために普段は虚勢を張って偉そうにしているから、常に周囲の人間とトラブルになるんだ。ストリートは第1話からトラブルメーカーだけど、何か理由があることはわかる。様々な葛藤があるけどそれは表に出さず、生意気でユーモアたっぷりで。僕自身は脚本を読んでるだけで、ユーモアなんかないけどね。とにかく彼の持つその2つの側面が魅力だと僕は感じている。視聴者もそうだと思う。
アレックス: そうだね。権力に反発しちゃうとことか? 僕は学校で問題児だったから。たまに聖職者みたいな先生がいてすごくうまくいくこともあったけど(笑)。子供の頃は同じ年の子よりも大人と仲良くなるタイプだった。学校は嫌いでからかわれたりしたから、自分なりに反抗してた。心の中でいろいろ思うことがあったし。まあ、ストリートと似てなくもないかな。30歳くらいになってもまだそれをやっているのがストリートだけど。
ジェイ: ファーストレスポンダー(外傷傷病者等の初期対応者)への敬意がますます高まった。以前から報道で特殊部隊やSWATの活動に聞いては感じていたことだけど、番組を通して彼らがどんな知識を持ち、どんなことをしているのかを深く知ったことで尊敬の念が強くなった。SNSや外で視聴者の反応があるのもうれしいね。先月家族に会いにボストンに行った時、ホテルの階段を登っていたら 警察官から「ディーコン」って声をかけられたよ。「ドラマを観てる。子供とかお金のこととか大切な部分を伝えてくれて感謝してる」と。ありがたいよね。
アレックス: いいね。僕も全く同意見で、ファーストレスポンダーの人たちへの感謝と尊敬の念ははかりしれない。彼らがどういう仕事をしているのかを知っているつもりで感謝もしてるつもりだったけれど、役柄を通して彼らが毎日どういうことに直面しているのかを深く知った。家族や自分自身にどれだけ負荷がかかっているのか......。本当に感謝しかない。
それと、番組を通して自分が住んでいる街のこともよくわかるようになったね。番組の見どころのひとつは、ロサンゼルスのいろいろな地域が舞台になることだ。要請があれば情報を集めロサンゼルスの様々な場所に急行する。そして、ロサンゼルスの多様性を見ることができるよ。これまで知ることがなかったり感じることがなかったロサンゼルス地域を肌で感じることができたのは貴重だし、この番組のよさのひとつだと思う。
ジェイ: みんな同じ船に乗っている仲間として、働く日数もだいたい同じだね。それぞれ休みの日は違うかもしれないけど、セリフの練習に付き合ってくれる人を探すのに苦労することはないね。僕は(ホンドー役の)シェマーとトレーラーが隣同士なんだけど、彼のセリフがだいたい一番多い。2人でよく座ってセリフを繰り返して覚えたりしているよ。
(「S.W.A.T.」の制作チームは)最初からみんな仲間意識が高いんだ。シーズン1の撮影が始まる前からみんなで一緒に武器の扱いや戦術訓練を受けたりしたからね。その時にお互いのことをよく知るようになって、そこから仲間としてずっとやってきた。間違いなく僕らはひとつのチームだね。撮影中もそれを実感する。
ジェイ: 数分だね。日本にソープオペラはあるかな? 1時間ものの。アメリカのソープオペラに出演している友人が何人かいるけど、彼らは1日でものすごい量の撮影をこなすんだよ。僕たちは1日で8~9ページくらい。それでも結構な量だよ。
僕は、脳にはセリフを覚える時に働く特別な筋肉があるんだと思う。うまくスイッチが入ると脚本をもらって、読んで、「よしわかった」ってなることがあるよ。少なくとも僕はね。今度撮影に戻った時はもう少し時間がかかると思うけど、毎日撮影を続けているうちに、そして自分のキャラクターをよく理解していれば、どんなセリフを言うかだいたいわかるようになるし、頭にも入りやすいよね。
アレックス: いや。まずだいぶ前に最初の段階の脚本をもらうんだが、その時は別のエピソードを撮影中だから頭がそっちでいっぱいなんだ。それに撮影の終盤には……。
ジェイ: 脚本が変わる。
アレックス: そう、何回も変わる。細かいところだけどね。
ジェイ: でもその細かいちょっとした変更で、それまで覚えたことが全部グチャグチャになることもあるよ。
アレックス: 確かに。ひとつのエピソードの撮影が終わるとみんなで座って次のエピソードの「本読み※」をするんだけど製作のショーン・ライアンが1人12役くらいやってくれる。10歳の女の子の役までやってくれるからおもしろいよ。
撮影が始まるのはその後だ。僕の場合は前の日の夜にはセリフを覚えておきたい派で。一度覚えて一晩寝ないと、撮影の日に苦労するんだ。セリフの量が多い時は特にね。でも夜10時とか夜中の1時に疲れて帰ってきて寝ちゃったりすることもあって……。そうすると次の日に起きてから撮影当日に覚えるしかない。
※本読み…撮影前に演者が脚本をせりふのような調子で読み合うこと。
ジェイ&アレックス: はい。
ジェイ: キャラクターに沿ったセリフであれば覚えやすい。予想もつかないようなセリフを覚えなきゃならないってことはないね。一番覚えるのが大変なのは、チームメンバーに事件の情報を説明するところだね。「9thストリートのウェスト・フィガロに何時までに急行せよ。容疑者は10人。違う。9人で10thストリートだった。」みたいなセリフは覚えにくいけど、それ以外は楽に覚えられるよ。
アレックス: 僕はブラインド・ドライブっていう方法で撮影するアクションが好きだね。ブラインド・ドライブは、例えばカーチェイスのシーンで僕が運転する役だとすると、まずはスタントドライバーが派手に運転する様子を離れたアングルから撮影する。そして次に僕が運転している様子を近くから撮影するんだ。多くの番組ではこういうシーンはスタジオの中でグリーンバックを背景にして撮影するんだけど、「S.W.A.T.」ではそれはやらないんだ。車の中にカメラを固定して、さらに車の上に「ロールケージ※」を取り付けてあって、その中に入ったスタントマンが車を操縦する。
(運転している構えをしながら)僕が運転席でこうやっているけど、実際には運転していない。こうやって役者を車に乗せた状態でスタントをやるんだ。映像では僕がこうやってハンドルを回しているから運転しているように見えるし、これはめちゃめちゃ楽しいよ。
ジェイ: その技術は「S.W.A.T.」独自じゃなかったかな? うち用に作ったんだよね?
アレックス: さあ。そうなの?
ジェイ: 確かオースティンたちが始めたことだと思う。あれは見ていておもしろいよね。ケンカのシーンについては話さないの?
アレックス: そうだ。ケンカね。
ジェイ: すごいシーンだよ。まるでワンショットに見える長いケンカのシーンで、3分くらいかな。かっこいいよ。
アレックス: そう、ケンカのシーン。僕はもともとアクション映画とかテレビとかのケンカや銃撃シーンなんかが大好きだったから、脚本家チームにお願いしたんだ。時間をかけて練習もするからクレイジーなケンカのシーンをやってみたいとね。それをワンショットで全てがパーフェクトでないとうまくいかないようなものにしたい、と。舞台のシーンみたいにね。その提案を受け入れてもらえたんだ。イメージとしては、ジョシュ・ブローリン主演の映画『オールド・ボーイ』のリメイクに出てくるものすごいケンカのシーンみたいな。ケンカの相手はそこまで多くないけど、目指すイメージはそんな感じだった。 強烈にやりあうケンカ・シーンはシーズン2で見られるよ。
※ロールケージ…・事故による横転(roll over)などから乗員スペースを保護するため、自動車や農機具に組み込まれる鋼やアルミ等のパイプで作られたフレーム。
アレックス: あちこち痛くなったけど、楽しかったよ。
ジェイ: かっこよかった。僕のお気に入りのアクション・シーンは、ディーコンが運転しているトラックから僕とデヴィッド(タン役)とリナ(クリス役)が飛び出して転がるシーン。
まずはスタントマンたちが運転するところを撮影して、次に顔が映るように僕が車を急ブレーキで止めて出てくる場面だけを撮る予定だったんだけど、車でグルっと大回りしてドリフトするところからやってもいいかって僕から頼んでみたんだ。道路は封鎖してあって、安全も確保してあるからやりたければやってもいいと言われて、5~6回やらせてもらったよ。リナとデヴィッドを後ろに乗せたままね。
ジェイ: 本当にドリフトしたよ。
アレックス: 俳優にドリフトさせたんだ。他の役者を乗せて。
ジェイ: アクセルを思い切り踏んだところから急ブレーキをかけて、ハンドルを切ったらできたよ。後ろでリナが「マジでやばい!」って叫んでた。
アレックス: ロサンゼルスで彼の運転を見かけたらすぐわかると思うよ。
ジェイ: だね(笑)。一番楽しかったアクション・シーンだ。
ジェイ: ああ、あっという間だけどね。スタントマンが運転したバージョンが使われるとは思うけど、自分でもやったことに変わりはない。
ジェイ: アクション・シーンはどれもやりたいって思うね。
どれも危険ではあるけど、安全は確保されているからね。例えばシーズン1の終わりでシェマーと僕が崖から森の中に飛び込むシーンで、着地してゴロゴロ転がる場面はスタントマンがやってくれたんだが、あれはやってもらってよかったと思った。キツそうだった。でも、事前に頼んで準備さえできれば、スタントも自分たちでやらせてはもらえる。
ものすごく危険でなければ許可してもらえる。
アレックス: そうだね。アザができることは何度かあったけど、それ以上はなかったね。傷ついたのはプライドくらいか(笑)。それと25分くらい前から右足が痺れてる(笑)。
ジェイ:大きな地震が起きるんだ。マグニチュード7.0かな?
アレックス: そうだったと思う。
ジェイ: 現場に出向いた際に大きな地震が起きて、チームがバラバラになってしまう。中でもディーコンはたった1人で、容疑者と一緒に隔離されてしまう。それがシーズン2の始まりだよ。見応えがある。
アレックス:この番組を通してロサンゼルスのいろいろな地域を垣間見ることができるという話をしたけれど、脚本家たちは世の中の人たちが直面していること、直面するかもしれないかということを考えてストーリーを作っている。自分たちは毎日を地震に怯えて生活しているわけではないけれど、食事に出かけたり、毎朝起きて仕事に行って普段通りの生活を続けながらも、地震がいつ起きてもおかしくないという認識はどこかにある。大きな地震が来るかもしれないロサンゼルスならではテーマだね。
ジェイ: ユニバーサル・スタジオの中に地震が起きて崩れた街を作ってそこで撮影をしたんだけど、そこはスタジオの中をめぐる観光ツアーの通り道でもあったんだ。だから15分おきくらいに何百人もの観光客が来て撮影の様子を見ていたよ。ハリウッドの観光地の一部になるという面白い体験だった。自分が7歳の時にユニバーサル・スタジオに遊びに行った思い出もあったから、楽しかったね。
アレックス:ターザン・スウィングと呼んでいるシーン。
そのシーンもユニバーサル・スタジオで撮影していたんだ。セットの窓から外に出て柵を乗り越えて、安全用のハーネスもたくさんつけていた。一定のポイントまで引っ張られて、そこから中に向かってスウィングするという撮影だった。僕のスタントを担当してくれるベンってスタントマンがいるんだけど、この人がまさにスパイダーマンみたいなんだよね。ジム・ストリートがかっこよく見えるのは彼のおかげであって、僕ではない(笑)。だから、実際に高所から飛び降りてスウィングして窓に突っ込んだのは彼なんだ。
その撮影をした後で、今度は僕の顔の表情を撮るために僕がスウィングだけしたんだけど、窓ガラスは1枚しかなかったから、僕がぶつかって窓が割れるように見せるために スウィングしてくるタイミングで僕に向かってガラスを投げることになった。ガラスを投げて、僕がぶつかって、着地してガラスを踏んづけて背中から転ぶ、というのを 3回連続くらいでやった。最後はうまく撮れて、いいシーンになったよ。
シーズン2 第11話 原題「School」 9月放送予定
ジェイ: アメリカで残念なことに繰り返し起きている学校での銃撃事件を描いたエピソード(シーズン2第11話)があって、ディーコンは子供達を救おうと必死になる。エピソードの最後の方で家に帰ったディーコンが娘と話すシーンがあるんだけど、そのシーンが一番気に入っているよ。事件について娘に話すシーンなんだ。
アレックス: そのシーンは、僕もシーズン2の中では一番好きかも。すごくいいシーンだ。
ジェイ: スポーツを観るのが好きなんだ。大のスポーツファンでね。
ジェイ: NHLスタンレーカップのプレーオフ(優勝決定戦)だよ。この15年ありとあらゆるスポーツを山ほど応援してきた。僕はボストン出身だから、スーパーボウル(アメフト)はペイトリオッツ。野球のワールド・チャンピオンシップではレッドソックスを応援してる。そして今はボストン・ブルーインズがスタンレーカップの決勝を戦ってるんだ。オフの日に何か試合があれば、必ずと言っていいほど観てる。スポーツは子供の頃からやってて大好きなんだ。仕事以外の趣味といえばスポーツだね。
ジェイ: ただし、ロサンゼルスから日本までのフライト中は無理だった。実は観ようとしたんだけど、魔法の人工衛星か何かで観れることを期待したけどダメだった。
アレックス: それはがっかりだね。フライト中は時間もたっぷりあるのに。僕の答えはつまらないよ。俳優だから映画やテレビが仕事なわけだけど、オフの時も映画とかテレビを観るのが好きなんだ。
アレックス: そう。でもそれは敢えて観てないから、ここまできたらもう観てはいけない(笑)。とにかく映画館に行くのも大好きだし、テレビドラマの一気見も大好きなんだ。優れたストーリーやキャラクターを見つけるとワクワクする。ジャンルは問わず、映画やテレビは何でも大好きだよ。
アレックス: そう。アクションものを観るときは、「S.W.A.T.」と比べる。そしていかに「S.W.A.T.」の方が優れているかについて語る。とにかくオフといえばほとんど映画やテレビ、さらに時間に余裕があれば、スケボーも好きだね。子供の頃よくやってたから。でも今はなかなか時間がなくて……。
ジェイ: 現場に持って来ればいいのに。
アレックス: それがいいかも。
ジェイ: セット間をスケボーで移動できるし。
アレックス: そうだね。
アレックス: シーズン1から見どころはいろいろあったけど、まずアクション・シーンは外せない。番組のアクションのレベルはどんどん高くなっているし、新しいことにもチャレンジしている。さっき話した僕のケンカのシーンとか。他にも普通のやり方とはちょっと違う方法で制作したシーンがある。ものすごいスタントも楽しめるし、アクション好きならシーズン2でがっかりすることはまずないよ。シーズン1以上に気に入ると思うよ。それとドラマ性の部分では、シーズン2ではキャラクターの掘り下げが深くなっている。
ジェイ: いろんなことがわかってくる。
アレックス: グッとくるよ。
ジェイ: 時間ができたからね。シーズン1ではホンドーがチームの新しいリーダーになって行く様子や、ストリートというロングビーチ出身の新人が登場して、とにかくSWATとしての仕事が描かれていたけど、シーズン2では視聴者に僕たちというキャラクターを理解してもらっているから、それぞれのキャラクターの考え方とかにも焦点が当てられる。ディーコンがルカをどう思っているか、ルカがディーコンにどのように接しているかとか。ディーコンとクリスの関係や、クリスとストリートの関係でも2人はいつか恋人同士になる可能性もあるのか?ずっと友達なのか?とかね。いろんな可能性が掘り下げる時間がある。シーズン3ではその時間がさらにあるだろうね。
ジェイ: スーパードラマTV観てる? 「S.W.A.T. シーズン2」が6月28日から始まるよ。
アレックス: 6月28日だよ!
ジェイ: 見どころ満載で、シーズン2も気に入ってもらえるはずだから早く観てほしい!
アレックス: 気に入ると思うよ。僕たちが東京を楽しんでる以上にね。かなり楽しんでるけど(笑)。