とても嬉しかったです。私も作品のいちファンとしてシーズン2の決定を大いに喜びました。シーズン1はウィスラーがルーシーに向けて情熱的な歌を捧げて2人がハッピーエンドを迎えるという素晴らしいエンディングでしたので、その後の2人の模様や、まだまだ描かれていない各キャラクターのバックボーンなど、ストーリーの続きが観たいという気持ちでいっぱいでした。個性豊かで魅力的なチームの活躍を再び見られることがとても嬉しいです。
アニメは全く音がない状態でアフレコをしますが、洋画の場合は実際に役者の皆さんが演じていらっしゃる声や息遣い、音楽や効果音が全て入った状態でアフレコするので、どれだけ役者さんの意図を汲み取れるか、表情や空気感をシンクロさせられるかが勝負です。なのでまず、ヴァネッサ・ラシェイさんが演じられているジェーン・テナントをまず自分の中に落とし込むこと、彼女がどういうふうにこのキャラクターを解釈して演じているのか、表情や動きなど彼女のお芝居から汲み取って、それを日本語でも違和感なく皆さんに聞いていただけるような演技ができたらいいなと思って演じています。
彼女は素晴らしいお芝居をされていて、シリアスなシーンはとことんかっこいいですし、コメディタッチなシーンではちょっとした目線の動きや息遣いでキュートな部分を見せるなど、強い指揮官というだけではなく女性としても魅力的に演じています。さらに、思春期の息子や娘に翻弄されてしまう母親の顔など、普段は完璧に見えるジェーンの未熟な部分や人間的な部分も、とてもナチュラルに演じられていて。ジェーンの様々な表情をしっかりキャッチし、声に乗せられたらと思っています。
ジェーンは指揮官として「私情を捜査に持ち込んではいけない」とメンバーたちに伝えていましたが、シーズン1の後半、ジェーンの師であり友人のマギー・ショーが関係する事件で、大きく気持ちを揺さぶられます。そんな体験を経てジェーンが成長して一皮剥けたところからシーズン2はスタートしていると思うんです。彼女が人としてより強くなり痛みを知ったことで、家族、そしてパールハーバーチームとの絆が深まった。そういう意味でシーズン2は彼女の人としての深みのような部分が強く出ている気がします。より肝が座ったというか、より頼もしい指揮官になっていると思いますね。
収録中は毎週このドラマの台本をいただくのを楽しみにしています!すごく作り込まれたストーリーですし、1話完結でもその背後にはシーズンを通してそれぞれのキャラクターたちの生い立ちやバックボーンが見える色々な伏線が張り巡らされて、それが見事に回収されて繋がっていくシナリオ構成が素晴らしいと思います。収録現場でも「緻密に練り上げられたドラマだね」と他のキャスト陣といつも話が盛り上がって、「次はどうなるかな」など、毎回キャスト同士で続きの展開を予想し合っているんです。チーム皆が「NCIS: ハワイ」のファンになっていて、だからこそチームの士気も高いですし、キャラクターへの没入感も深いと思います。
劇中のチームと同じ、家族のような空気感がスタジオ内に流れていて、スタジオに入ると自然とジェーンのスイッチが入りますし、まだシーズン2ですが、共演者の皆さんとは長く一緒にいるような感覚になる現場で大好きです。
ジェーンは仕事場ではキリッとしたかっこいい指揮官としての姿を見せていますが、女性だからこその見えない戦いがたくさんあると思うんです。そういったところにも、ものすごく共感しますし、2人の子供を育てながら仕事を両立させている、そういったところも尊敬します。マギーの事件では彼女の過去のCIA時代のエピソードも明らかになりましたが、今回ももっと彼女のことを知りたいと思うエピソードが多々登場します。
ジェシーもまだ語られてない部分がありますよね。カイをいじるちょっときつい物言いの先輩捜査官ですが、実はすごく愛が深くて、ジェーンに一番近いところで寄り添ってくれている存在なんです。父親、母親という目線がわかるからこそ、捜査の合間にお互い他のメンバーにはしない子育ての悩み相談をぽろっとしたり。そういう大人同士のちょっとしたプライベートな表情もすごく好きで。本当にジェシーは陰でジェーンのことを支えてくれている、頼もしいパートナーだなと思います。
それからアーニー!私、一番好きなんですよ。可愛くてたまらない(笑)! 「特技いくつあるんだろう」「そんな過去もありましたか」など予想外のエピソードが多々あって、いつも笑ってしまいます。彼は頭が良くて何でもできてしまう底知れぬポテンシャルを秘めた人物。前線に出て戦うことはあまりないですが、勇気を出して防弾チョッキを着て現場に向かうシーンもありましたし、仲間のために自分の持てるものを最大限出せる愛情深いキャラクターです。シーズン1ではルーシーの恋の悩み相談に乗っていたのも印象的ですね。そして彼が意外と恋多き男性だったことにも驚きました(笑)。そしてアーニーも家族の問題を抱えていて、逆にルーシーが相談に乗るシーンもあって。年齢はアーニーの方が上ですが、友人であり家族のような関係性がすごく素敵だなと思います。
カイはシーズン1の第1話から若さ溢れるというか、とてもストレートに感情をぶつけるキャラクター。でも、彼がいるからこそ、皆が勢いを増していくところもありますし、ぐっと踏み込める事件もありますね。彼は男らしい体育会系のイメージもありますが、実は天然なところがあったり、ロマンチストだったり、すごく可愛らしい部分を持っていたりするんですよね。シーズン2では彼がネイルサロンに通っているシーンも出てくるんですよ(笑)!そしてカイも父親との確執があって、シーズン2では、そこに踏み込んだエピソードも登場します!
私、ハワイが大好きなんです!コロナ禍になる前は毎年のように行っていました。なので、「あ、これはもしかしてここで撮影したのかな」というシーンもちらほら登場し興奮します。例えば、シーズン1第4話「パニオロ」のバギーのシーンはよく映画やドラマの撮影に使われているというクアロア牧場かなと思ったり。(*実際にクアロア牧場で撮影されています。)行ったことのある場所が出てくると、その度に嬉しくなります。特にこの「NCIS: ハワイ」はコロナ禍の頃に放送が始まった作品ということもあって、ハワイが大好きな方には「あの青い海、青い空が恋しい!」「画面を通して癒される〜」と思われた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。私自身、今後、機会があったらぜひこのドラマのロケ地巡りをしてみたいなと思っています。ハワイ好きの方にもオススメの作品ですね。
シーズン2はより盛り上がっていきます!それぞれのキャラクターの人物像やバックボーンが広がるエピソードがたくさん詰まっていますので、これを機にまずはシーズン1をおさらいで観ていただいてから、シーズン2を観ていただくと、より楽しんでいただけると思います。1話完結なのでどこから観ても遅くありません!どこから入ってもたっぷり楽しんでいただける物語になっていますので、皆さん、ぜひチェックしてください。
水樹奈々(みずきなな)
1月21日 愛媛県生まれ。StarCrew所属。アニメや洋画の吹替えなど多数出演。海外ドラマ吹替えでは「ピースメイカー」(エミリア・ハーコート役)や「glee」(クイン・ファブレイ役)、映画吹替えでは「ハンガーゲーム」(カットニス・エヴァディーン役)や「キャプテン・マーベル」(キャプテン・マーベル役)など。「NCIS: ハワイ」ではシーズン1よりジェーン・テナント役の日本語吹き替えを務める。