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S.W.A.T.「S.W.A.T. シーズン5」 シェマー・ムーア(ダニエル・“ホンドー”・ハレルソン役)
オフィシャルインタビュー

シーズン5のプレミアはメキシコでの撮影だったと思いますが、東京での撮影以来の久しぶりの海外での撮影はいかがでしたか?
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シーズン5では、メキシコが舞台の一つ。シーズン3では日本へ、シーズン2は、シーズン5と一緒でメキシコ。アイルランドに行くかもしれないって話も出ているんだ。世界中を飛び回ることができるのは、とても光栄なことだね。

 

日本でのロケは僕にとっての夢がかなった瞬間だった。日本で撮影したエピソードは評判もすごく良い。今起きていることが夢じゃないかと、自分をつねりたくなる。俳優になって人々を喜ばすことができて、LAでテレビに出演して、のちに世界中で観られる作品に出演するようになった。そのことだけでもすごいことだけれど、アメリカ以外の国で撮影をできることは本当に光栄なことで、感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

シーズン5のプレミアエピソードはメキシコでS.W.A.T.チームがいない中、一人で演じなくてはならなかった。日本のエピソードを制作した時のように、「S.W.A.T.」の物語を他の国で展開できたことに誇りを感じているよ。番組としてメキシコで撮影するのはこれで2回目。プレミアエピソードではホンドーのことを深く掘り下げていて、また彼の違った一面が見られると思うよ。

 

メキシコでは、馬に乗って撮影した。シェマーはカリフォルニア州オークランド出身の黒人で、ホンドーはサウス・ロサンゼルス出身の黒人だ。両者ともLAの都会で生活している。日本にいるホンドーをどう描くか?メキシコでホンドーを馬に乗せてどのような物語を展開するのか?作品の本来のテイストから外れないように海外でのエピソードを作り上げる。「S.W.A.T.」の番組でありながらも、オリジナルでクリエイティブな方法で海外を舞台にしたエピソードを制作したスタジオとプロデューサーたちに称賛を送りたいね。そして繰り返すけれども日本やメキシコで撮影し現地で演技できたことは、僕にとっての"夢の実現"なんだ。

 

 

 

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メキシコの人々はみんな優しくて親切で、よく働いて素晴らしかった。ホンドーが馬に乗って悪人を追いかける姿もクールだと思うよ。「バケツリスト」(死ぬまでにやっておきたいことリスト)の項目を一つ達成できた。一生忘れられない体験になったね。

 

 

 

 

 

シーズン5では、降格されてしまったホンドーがメキシコでの体験を経てどのように変わっていきますか?また、シーズン5の見どころを教えてください。

これまでのホンドーは、様々な困難に立ち向かい、チームリーダーとしても奮闘し、毎日命を懸けて戦っていた。 でもシーズン5では、自分のしてきたことを否定され傷つきながら、自分自身を見つめなおし、立ち直ろうとしている姿が描かれている。普段は自分自身の精神状態をコントロールできるのに、警察という組織から否定されたことによって心に迷いがでてくる人間の側面のようなものが映し出されているだ。シーズン5を通して楽しいストーリーだけでなく、常に超スリルな展開が待っているんだ。ホンドーがリーダーでなくなったとしてもね。もちろん今まで同様、アクションも。

 

シーズン5のホンドーは、自分自身を取り戻そうともがいている。彼も一人の人間だ。人は成長するし傷つくこともある。それに成功することもあれば、失敗することもある。自分を信じ、自分に疑問を持つこともあるんだ。だから、ホンドーも暗い雰囲気というか、失意の状態にあるんだ。そんな彼このような局面を切り抜けることができるのか?そして、彼はこれから先の自分の行くべき道を見つけることができるのか?という今までとは違う彼の一面が見られるんだ。

 

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この作品は人は成功することもあれば、逆に失敗することもあるということが改めてわかる人間ドラマだと思う。落ち込んでいるヒーローを見ると、「ああ、自分はひとりじゃないんだ」と感じることができる。「クリミナル・マインド」のデレク・モーガンや「The Young and the Restless(原題)」のマルコム・ウィンターズなど、演じるキャラクターが何であれ、そう感じることができる。僕は「このキャラクターがリアルに感じられるようにしたい!」と思って行動することが好きなんだ。だって、もしホンドーがただの悪徳警官だったら、一面的すぎて面白くないし、決まりきった内容になってしまう。でも、彼はヒーローでありながら、弱点も持っていて、恐怖心も持っている。そして、問題も抱えている。だから、自分のベストを尽くすために戦う男の姿を、視聴者は見ることになる。シーズン5を通して、視聴者はホンドーが「S.W.A.T.」に必要と認識し、また「S.W.A.T.」戻ることを望みながら彼を応援することになると思うよ。

 

 

 

 

 

コロナ禍や時事問題に関してストーリーに多く反映されていました。あなたにとって、このようなストーリーはどのような意味を持っていますか?           

「S.W.A.T.」を本当に誇りに思っている。何よりもまず、とても楽しい番組だ。僕がこの作品に参加していることを、世界中の人々が注目してくれている。

 

「S.W.A.T.」の特徴は、スーパーコップ(優秀な警察官)が悪者を退治するという楽しさ。ホンドーはタフガイで、マントなしのスーパーヒーローのような感じ。悪人を追い詰めるスーパーコップは、現実でもスーパーヒーローなんだ。「S.W.A.T.」を見ていると、あのテーマソングが期待感を煽る。カーチェイス、バイクチェイス、戦闘シーン、ヘリコプター、射撃などホンドーや撮影チームはクレイジーでクールなことをしているね。でも僕たちはきちんと地に足をつけて、現在の情勢や問題についても話をしている。

 

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そこで「ブラック・ライブズ・マター(アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為をきっかけにアメリカで始まった人種差別の抗議運動)」の話になったんだ。ジョージ・フロイドやアマード・アーベリー、ブリオナ・テイラーなど、警察と市民の間で起きている人種差別による不公平について話をした。警官は、完璧ではなく一人の人間。誰であろうと、肌の色や出身地がどこであろうと、僕たちの中にはそれぞれの善と悪がある。でも、僕たちのドラマは、ポジティブであることが大切。楽観的であることが必要で、善を信じ、公正を信じている。だから、ブラック・ライブズ・マターやコロナウィルスの話をすることは、とても現実的なことだった。でも、コロナウィルスまん延のため、僕たちが番組を作るのはとても難しいことだった。それは世界中で起きていたことだったから。だから、僕たちはコロナウィルスによる試練と苦難、そしてそれが生活にどのような影響を及ぼしているかを作品を通して、シーズン4の時に紹介したんだ。

 

また、シーズン1~4にかけては、学校の銃乱射事件や人身売買、不当な取引制限、そして警官の自殺などもテーマにしてきた。でも僕たちは番組を通して、決して人々に説教をするつもりではないんだ。そんな重苦しい番組にはしたくない。僕たちは、見ていて気分が良くなったり、笑顔になったり、「ワオッ!」と楽しく声を上げるような番組にしたいと望んでいる。

 

でも僕が気に入っているところは、子供たちに銃や銃の暴力を見せたくないという親御さんたち以外の方々に楽しんでもらっていることだね。僕たちの番組は、暴力的なドラマではない。映画のようなとても迫力のあるドラマで、まるで映画『ワイルド・スピード』を見ているような感じで、毎週テレビでみることができるアクション映画のようなドラマだ。でも、人間性・信頼性・誠実さを保ち、誰もが理解できるような時事問題を取り上げることはいいことだと思う。誰もが共感できるとか、物議を醸すような題材ではなく、全てを信じろということでもない。僕たちの作品は、時事問題に関して考えさせたり、感じさせたりすることができる。でも同時に、スーパーコップの活躍を目のあたりにして、スリルを味わえるんだ。「S.W.A.T」を見れば、楽しい時間を過ごすことができると思うよ。

 

 

 

 

 

シーズン1でホンドーはS.W.A.T.のリーダーを引き継ぐことになりましたが、シーズンが進むにつれて彼の役割にホンドーはどのように成長・変化していきましたか?           

人種的な観点からホンドーが主人公になったんだと思う。シーズン1で、ホンドーの上司であった白人警察官が間違って、事件に関係のない黒人の子供を撃ってしまう。事件に関係のない黒人の子供がホンドーの上司であった白人の警官に撃たれたことにより、地域の黒人住民の怒りをかってしまう。警察はその嵐を鎮めようとするんだ。そのために、黒人の警官がリーダーになる必要があった。そこでチームメンバーや周りにとって問題になるのが、その人物がS.W.A.T.チームのリーダーにふさわしいのか?それとも肌の色のためだけに、リーダーにされたのか?ということだった。だから、シリーズを通して、ホンドーは常に強い男であり、有能であることを証明しなければならなかったんだ。そのために、ホンドーはミスを犯すわけにはいかなかった。

 

ホンドーと僕はよく似ているんだ。僕は本当によく働いてきた。何事も当然と思わずにね。30年間この仕事を続けてきて、いつも肩に力が入っていて、自分の行動や言動の一貫性を保ち、成長し続け、より良くなるように自分をリードし、常に自分にプレッシャーをかけてきたんだ。この世界にとどまり続けるには、自分の価値を証明しなければいけないと常に思っている。

 

だから経験と自分へのプレッシャーなど、そのエネルギーを全て使って、呼吸するように僕が演じるキャラクターを表現することができるんだ。「S.W.A.T.」のダニエル・"ホンドー"・ハレルソンでも、「クリミナル・マインド」のデレク・モーガンでも、「The Young and the Restless(原題)」のマルコム・ウィンターズでもね。僕は、もう51歳なんだ。シェマーとして、一人の男として成長するにつれ、より経験を積み、役へより深くかかわることができるようになった。23歳でこの仕事を始めた時よりも、良い俳優になってきたと思う。より深い人間になり、より経験を積んできた。だから、ホンドーも似たようなものなんだ。パイロット版から今に至るまで、彼の進化を見ることができる。チームのリーダーである以上、自分の価値を証明しなければいけないというプレッシャーが常にあり、それはストーリーにも反映されている。

 

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初めの頃と違い、シーズン4になると、ホンドーは学校での銃乱射事件を取り扱ったり、人身売買を取り締まったり、人種的不公正を訴えたりしているんだ。彼は、警察組織の問題点を訴えている。でも組織はそんなことを望んでいない。でもホンドーは警察という組織の対応は多くの場面で不当だと感じていて、常に組織と戦っているんだ。ちょっと話がずれたけど、成功するためには、強く立ち向かわなければならない。成功すると、あなたの邪魔をする存在や人々が現れるが、それに対して強く立ち向かわなければならない。シーズン4の最後に、まさにその理由でホンドーが降格されたことが描かれているんだ。

 

ホンドーは警察組織の問題点を暴露する。恥をかかされた組織は彼を打ちのめすことになる。ホンドーが正しいと思うことを、組織は良しとせず反抗的と考え、ホンドーは降格されてしまう。彼がS.W.A.T.のリーダーになった理由があるように、降格された理由もあるわけだ。そしてシーズン5で、ホンドーは少し疑心暗鬼になっているんだ。壊れているということではないけれど...「ちょっと待てよ!俺はあれだけ戦ったんだぞ。あの戦いは本当に価値があったのか?俺の目的は何だったのか?全て無駄だったのか?」と。

 

つまり、そうゆうことなんだ。僕自身も、変化を起こそうとしている。僕は、本当に何かを変えることができるのか?と。普段の生活の中でも何かを達成することが好きだけど、自分自身以上の大きな存在も好きなんだ。だから、もし僕が夢を追いかけるなら、僕がその目的を達成することで人々に示したり激励したりして、成し遂げることが可能だと感じさせることができるんだ。それは素晴らしいことだよね。だから、みんなにサインするのもいいし、みんなが僕のことをほめてくれるのもうれしい。でも、最高の誉め言葉は「あなたのおかげで、自分のことが良く思える」「あなたがしていることを見て、自分に可能性があると思える」なんだ。

 

僕の実生活の多くが、テレビで描くものに反映されている。だから、僕と同じようにホンドーの進化を見ることができるし、シーズン5では彼が自分自身を取り戻すために戦い、目的を達成するための戦う姿を見ることになるんだ。見ている視聴者にとって、応援しているヒーローが目的を達成できれば、自分も同じように成功できる可能性を感じられるから、共感できる面白さがあると思うよ。

 

でもホンドーが、「S.W.A.T.」を辞めてしまったり、叩かれたりしてしまったら、その時はその時で「夢はどこにあるんだ?」「何を信じればいいんだ?」となってしまう。だから面白いんだ。僕の演じるキャラクターにはヒーローになれる要素があるところが面白い。マイケル・ジョーダンのようになりたいと思う人がいるように、僕が演じるホンドーを見た人が「自分もあんな風になりたい」と思っている。彼はとてもクールで、何事にも恐れない。そういうところが僕も好きだ。僕は心を揺さぶられるキャラクターを演じているが、ホンドーはとても人を元気にしてくれるキャラクターだと思うよ。

 

 

 

 

 

 

5シーズンを主演として続けてきていて、シーズン1のときから撮影チームの変化は感じますか?         

「S.W.A.T.」の撮影は本当に楽しいよ。この業界で30年仕事をしてきて「The Young and the Restless(原題)」や「クリミナル・マインド」に出演したが、すべては人間関係と相性だと思っているし、それが画面上にも表れる。「S.W.A.T.」のチームは才能豊かで人間性も素晴らしい人々ばかりで、自分はとても恵まれていると感じている。そんな彼らと一緒に仕事をして、主役を演じプロデューサーを務めるということに誇りを感じているが、番組は一人では作れない。ホンドーとシェマーにはチームが必要だ。チームというのはテレビに映っているキャストだけではなく、クルー、プロデューサー、脚本、役者を含めた全員のこと。画面上で番組が楽しくリアルに見えるのは、お互いのことが大好きで、尊敬しあっているスタッフがそれぞれの役割を楽しく果たしているから。だから僕はアメフトでいうところの司令塔かもしれないけれど、それぞれのポジションをプレイするチームメイトが不可欠だ。お互いがいないと何もできないからね。スーパーコップを演じて悪者をやっつけるのは楽しいけれど、みんなで制作しているからこそもっと楽しい。

 

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チームには200人近いスタッフがいて、みんな良い番組を制作しようとそれぞれの役割を楽しんで仕事に取り組んでいる。撮影現場は僕にとって安心できる場所で、キャストとスタッフもみんなワクワクしながら現場にやってくる。自分たちが制作している番組が、世界中でますます人気が高まっていることを知っているからね。そんな作品に関われることは、みんなにとって喜ばしいことだ。

 

チームとしての変化について言うと劇中のS.W.A.Tチームはますます固い絆で結ばれていく。シーズン5ではストリートと母親の関係、クリスが唯一の女性隊員であることに意味を見出す様子やアルコール依存症との戦い、ホンドーの家族関係の話などが展開していく。

 

実生活での撮影チームの結束も年々深くなっている。撮影をしていない時も一緒に過ごしているよ。僕の家でバーベキューやゲームをしたり、お互いの家族やパートナーと一緒に遊んだり。みんなとは仕事上でもプライベートでも友達だ。だからこそチームの絆もどんどん深くなっているし、それが画面上に表れていると思う。

 

 

 

 

 

 

日本で新シーズンの放送を心待ちにしているファンに、メッセージをお願いします。           

日本のファンのみんな、シェマーだよ。いつも応援してくれてありがとう。みんなのこと、ベイビー・ガールたちのことが大・大・大好きだ!シーズン5は、さらにスケールが大きくなって素晴らしい内容になっている。これからも愛を送ってくれると嬉しいな。ぼくもずっとみんなに愛を送り続けるよ。シーズン5も最高の内容になっているから、ぜひ観てね!