2014年よりシーズン1がshowtimeにて放送開始された本作は、第72回ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門でドラマ作品賞を受賞し、アリソンを演じたルース・ウィルソンがドラマ主演女優賞を受賞した。本国ではシリーズ5までが放送されている。ノアとヘレン、アリソンとコールの2組の夫婦を中心に話が展開する本作は、あるひき逃げ事件の事情聴収で行われる回想をベースに、不倫関係に落ちていくノアとアリソンを描く。第1シーズンでは1話ごとにノアとアリソンの視点からの描写が展開され、2人の記憶の食い違いが話題になった。第2シーズンからはヘレンとコールの視点が加わり、不倫によって家族が受けたダメージが洞察的に描かれる中、ついにひき逃げ事件について衝撃の全容が明らかになった、第3シーズンはノアが刑務所から出所したところから始まる。無実の罪により3年間服役したノアは謎の影に怯えている。一方でノアがいない間、残された人々はそれぞれ複雑な想いを抱えながら不安定な日々を過ごしていた。ノアと彼を取り巻く登場人物たちの様々な視点、問題、謎、そして新たな事件。予想できない展開から目を離すことが出来ない。ゴールデングローブ賞やエミー賞といった栄誉ある賞を受賞している実力派俳優陣の重厚な演技が、本作の大きな見どころ。ゴールデングローブ賞にノミネートされたノア役のドミニク・ウェストとアリソン役のルース・ウィルソン、エミー賞にノミネートされたモーラ・ティアニー、SAG賞にノミネートされたジョシュア・ジャクソンが、中心人物4人の交錯する心情変化を丁寧に描き出す。そして今シーズンで新しく登場する、実力派のゲスト俳優にも注目。ノアが出所後に教授の職を得たニュージャージーの大学で、中世フランス文学専門の客員教授として登場するジュリエット役を演じるのは、映画デビュー作『さよなら子供たち』を見たクシシュトフ・キエシロフスキー監督に見出され、『ふたりのベロニカ』で2役を演じる主役に抜擢され、カンヌ国際映画祭の女優賞に選ばれたこともあるフランス人女優イレーヌ・ジャコブ。そしてノアが服役していたフィッシュキル刑務所の看守で怪しい役どころのガンサーを、『恋のドッグファイト』で映画デビュー後、シリアスな役からコミカルな役まで主演作をいくつもこなした後、『ハムナプトラ』シリーズの大ヒットに恵まれ、今後の活躍にも期待のかかるブレンダン・フレイザーが演じる。
本作の制作をつとめたサラ・トリームはエミー賞やゴールデングローブ賞などの数多くの賞を受賞した「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などのドラマで脚本を担当していたことで知られる。また、共同制作者のハガイ・リーヴァイは1963年生まれのイスラエル出身の監督で、テレビドラマ「BeTipul(原題)」を制作し、イスラエルのアカデミー賞で監督賞を受賞した。「BeTipul」は米HBOによって「イン・トリートメント」としてリメイクされ、エミー賞やゴールデングローブ賞、全米脚本家組合賞などを受賞したが、その「イン・トリートメント」で制作をつとめていたのがサラ・トリームである。本作と同じくshowtimeで放送され、世界中で大ヒットしている「HOMELAND」もイスラエル出身のギデオン・ラフが制作したシリーズ「Hatufim(原題)」を原作としており、近年のイスラエル作品のドラマ性の高さがうかがえる。イスラエル出身のクリエ-ターによって醸し出される独特な雰囲気にも注目だ。
注)初回放送当時の情報となります