アリソンを演じるルース・ウィルソンの卒業は、本国アメリカではシーズン4を放送中の時から発表されていたが、ファイナル・シーズンが始まってみると、アリソンどころかジョシュア・ジャクソン演じるコールまで不在なことに気づく。コールの身に何が起こったのかは徐々に明らかになっていくが、ノア、アリソン、ヘレン、コールの男女4人のもつれが主軸となって展開してきた物語から、2人が姿を消してしまったことになる。
しかしそれと同時に、人気シリーズの最終シーズンにふさわしく、フィナーレへと突き進む鍵を握る重要キャラクターも登場する。それが、当時史上2番目の若さでアカデミー賞助演女優賞に輝くという快挙を成し遂げたアンナ・パキン演じる、ジョーニー・ロックハートだ。ロックハートという苗字から分かる通り、ジョーニーはアリソンとコールの娘。ジョーニーはまだ子供だったはず? と思うかもしれないが、ファイナル・シーズンでは大人になったジョーニーが登場するのだ。ジョーニーの住む家がやたらハイテクなのもそのはず、ジョーニーの生きている時代は近未来で、これまで登場キャラクターたちのそれぞれの視点からストーリーを見てきた“羅生門”スタイルに加えて、現在と近未来の2つの時代を行き来するパラレルな設定となっているのだ。母アリソンの死からくるトラウマに悩まされ、重度の精神不安を患っているジョーニー。そんな彼女が母アリソンの死に関する真実を模索し始めた時、過去、現在、近未来の点と点が線になっていき、「アフェア 情事の行方[R15+相当]」の名にふさわしく、衝撃の展開の連続を迎えることになる。
ノアとヘレンはもちろんのこと、そしてジョーニー以外にも、ノアとヘレンの娘ホイットニーのストーリー、ノアの元上司で現パートナーのジャネルのストーリー、ノアの小説を映画化しようとする有名アクション俳優サーシャのストーリー、ヘレンのパートナーであるヴィックの子を身籠もっているシエラのストーリーなど、様々なストーリーが見逃せないファイナル・シーズン。ノアとアリソンの情事に事を発した物語は、想像を絶する終わりの見えない展開を繰り返しながらここまでやってきたが、アリソンの死の真相やコールの行方も含め、ノア、アリソン、ヘレン、コールの男女4人の激動の物語についに終止符が打たれることになる。